『臨床栄養』雑誌に掲載されました。
- 2021.05.12 | 栄養部ブログ
医歯薬出版株式会社『臨床栄養』2021年5月号に栄養部の記事が掲載されました。
「こんだてじまん」 のコーナーで、5ページにわたり以下の内容で
述べさせていただきました。
<内容>
・栄養部門の活動
・こんだてじまん
じまんの一品 漬物「梅干し」
常食「太平燕」
特別食(やわらか食)「鶏の支那天」
・栄養部門の活動
当院は2012年4月に委託から直営に移行しました。
食事は治療の一環としての取り組みに力を注ぎ、地産地消で仕入れ、国産率は90%で
安心安全な食材を使用しています。また、おやつやパン、野菜スープ、だしなども
手づくりです。
当日に下処理・調理を行い、適温でお出しするため温冷配膳車の庫内温度を測定し、
速やかに配膳できるよう看護部門にも協力してもらっています。
食器は天草の高浜焼を使用し、見た目でも食事を楽しんでいただいています。
このような業務を実施するために、徹底的に作業管理を考え、各人が同じ目標をもてるよう
ミーティングや業務勉強会を繰り返し行い、年に2回は一流シェフのもと食事会を行い、
自己のスキルアップをも図っています。
直営移行時より、刻み食を廃止し、舌や歯茎で容易につぶして食べられるやわらかさの食事
(ユニバーサルデザインフード基準値:歯茎でつぶせる)を医師、言語聴覚士、看護師、
管理栄養士、調理師で何度も検討を重ね、「やわらか食」と命名し提供している。
やわらか食の取り組みについて学会でも発表を行い、
近年では全日本病院協会雑誌の論文にも掲載されました。
・こんだてじまん
じまんの一品は漬物「梅干し」常食は熊本県の郷土料理「太平燕」、
特別食やわらか食は「鶏の支那天」の献立を載せています。
「太平燕」は、熊本では知らぬ人はいないというソウルフードです。
主役は緑豆春雨、おいしくて栄養豊富でエネルギーは控えめ、
朝から煮込むスープは患者様から好評です。
「鶏の支那天」は、鶏肉をにんにく、しょうが、調味料に漬け込み、
小麦粉をまぶし唐揚げにしたものです。
やわらか食は鶏ひき肉とすりおろした長芋、よく炒めたたまねぎ、
にんにく、しょうが、調味料をよく練り、蒸した後に一口大にして
揚げています。
やわらか食は普通食と同じ見た目ですが、歯茎でつぶせる硬さを目安に
展開しています。揚げ物でもやわらかく提供することができます。
「梅干し」は、毎年6月頃に阿蘇小国産の梅を管理栄養士と調理師が
一丸となって100㎏漬けています。無添加、減塩(冷蔵庫で保管)で手作りです。
その他、ぬか漬け、紅しょうが、阿蘇高菜漬、らっきょう、たくあん、
大根の甘酢漬けやたまり漬けなども全て手作りです。
家庭的な味を守り、味覚異常や緩和ケアの患者さんにも
安心して食べていただいています。
「臨床栄養」雑誌を手に取って読んでいただけると嬉しいです。
これからも、安心安全な美味しい食事の提供をするために
職員一同頑張っていきたいと思います。