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【医師コラム】「心理的安全性とは?信頼し合えるチームの条件」

 

6月に入り、新年度に入った新入職員の皆さんも、少しずつ職場に慣れてきた頃かと思います。
鶴友会では職員の皆さんが長く安心して働ける職場をつくることを目指しています。

 

そのための重要なキーワードとして、近年注目されているのが「心理的安全性」という概念です。
この言葉は、Googleが行った「プロジェクト・アリストテレス」という研究によって広まりました。
この研究は、どのようなチームが成果を出すのかを4年間かけて分析したもので、その結果明らかになったのは「優秀な人材が集まったチーム」ではなく、「お互いに協力し合えるチーム」こそが成果を出すという事実でした。

 

では、協力し合えるチームの土台は何か。そこに必要なのが「心理的安全性」です。

 

心理的安全性とは、

『自分の意見を言っても否定されない』

『ミスをしても責められない』

『人と違う意見や行動をしても受け入れられる』

といった「安心して自分らしくいられる状態」を指します。

このようなチームでは、信頼関係が高まり、仕事に対する目的意識も向上し、離職率も低くなるとされています。
ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、何をしても許される「仲良しクラブ」ではないということです。
大切なのは、信頼関係の上に成り立つ「率直な指摘と受容」ができる関係性です。

 

このようなチームづくりは簡単ではありませんが、いくつかのポイントがあります。

『若い職員は、気づいたことをどんなに小さくても声に出すこと』

『リーダーは話しやすい雰囲気を意識的に作ること』

『リーダー自身も自分の苦手なことや弱さを受け入れる姿勢を持つこと』

『年齢や経験に関係なく、すべての人に発言の機会を平等に与えること』

これらの実践が、心理的安全性の高い職場環境の構築に繋がります。

 

医療現場では特に、ミスの早期発見と共有が重大な事故を防ぐ鍵となります。
そのためには、誰もが安心して声を上げられる職場環境が不可欠です。

 

人口減少と人材不足が進む日本社会において、私たちが目指すべきは、誰もが安心して意見を言い、支え合える職場。
みんなで協力し、信頼し合いながら、よりよい組織づくりを進めていきましょう。

 

副院長 兼 リハビリテーション部長 兼 回復期リハビリテーション病棟長
山口 祐二