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温熱療法

温熱療法(ハイパーサーミア)とは

ハイパーサーミア(がん温熱療法)というのは、腫瘍の局所を40~60分間42~43℃以上に加温する治療法です。放射線や化学療法の効果を高めることが期待され、またそれ自身にも殺細胞効果があります。但し温熱療法だけで、がんが根治できるのは稀と考えられており、放射線治療や化学療法との併用によって、放射線や抗がん剤の効果を高めたり、体を温めることで免疫力が高まる効果が期待されています。当院では主に化学療法や免疫療法の補助療法として温熱療法を行っています。

温熱の効果

2個の電極で身体を挟んで高周波を流す方法が主流です。この方法では身体を通してほぼ一様に高周波が流れる理屈ですが、腫瘍内では血流が少ないために温度が上がり易くまわりの正常組織との間に温度差が生じます。腫瘍が42℃になった時には正常組織も40℃位になり、全身も少し体温が上がりますが、40℃位の加温は血流を良くし免疫能を高めるなどの効果が観察され、治療にも役立っていると考えられます。
また、体温の上昇も適度であれば、快適因子のエンドルフィンの産生を増やすなどの効果が期待されます。
但し、電極の直ぐ下に位置する皮下脂肪が過度に加温されますので、皮下脂肪の厚い人ほど加温が難しいと言う事になりますが、電極を水冷式にして対応しています。

温熱療法

放射線併用療法の治療効果

放射線は、酸素濃度の高い部分で効果がありますが、温熱療法は、酸素濃度が低いほうが効果があります。そのため、放射線治療に温熱療法を併用すると、血流が豊富で酸素濃度が高い部位には放射線が有効で、放射線の効果が十分ではない酸素濃度が低い部分では、温熱療法が有効となります。つまり、放射線の弱い部分を温熱療法がカバーし、結果として放射線治療の効果が高まるわけです。

化学療法併用の治療効果

温熱療法は単に全身の血流をよくするだけではなく、さまざまな仕組みで抗がん剤の作用を増強することがわかってきました。例えば加温することでがんの病巣の血管が拡張して、抗がん剤の濃度が高くなることが指摘されています。温熱療法によって誘導されたヒートショックプロテインと呼ばれるタンパク質が、抗がん剤のマイナスの作用をブロックし、身体の免疫能を高めると言われています。

免疫療法との治療効果

温熱療法が免疫にも作用して効果をあげていることから、免疫療法を併用すればより効果が増強されるのではないかとの考えから、温熱療法との併用療法が始まっています。標準治療と温熱療法でがん細胞をできるだけ減らし、仕上げに免疫療法を行うという治療戦略が考えられています。がんの集学的治療の一貫として温熱療法と免疫療法の併用が期待されています。

温熱療法

当院のがん温熱療法について

これが、がん温熱療法の装置です。サーモトロン-RF8(山本ビニター製)といいます。写真のベッド上へ横になっていただき、治療部位を上下の電極で挟んで、RF波で加温します。

温熱療法

当院の電極は新しく開発された電極で、水袋は5~40℃の水を循環させ、皮膚を熱から保護しますが、循環と同時に電極から出力することができます。また、低反発マットを採用し、苦痛なく治療ができるように努めています。電極は直径7cmのものから30cmのものまであり、上下の組合せにより体の深いところにある腫瘍まで温めることができます。

温熱療法の治療開始(準備)から治療終了まで

温熱療法の実際のスケジュール・治療時間

・治療は、患者さんそれぞれの治療スケジュールに合わせて行います。
・治療時間は、約40~50分です。治療準備や機器調整に5~10分程度かかります。

ご用意して頂く物

・特にありません。

治療にあたって

治療前後のお願い
・治療直前に食事をされると気分が悪くなることがあります。
※直前の食事は控えて下さい。
・治療中は汗をかきますので治療前後は水分を多めにとって下さい。

治療中のお願い
・治療中は体が電気をおびた状態になります。感電防止のため以下をお守りください。
1)指輪、ネックレス、時計、眼鏡など金属でできたものは必ずはずして下さい。(義歯は取らなくても大丈夫です)
2)治療中は点滴台や治療ベッドの金属部分には触れないようにして下さい。
身体が触れることで感電するため、スタッフはゴム手袋をして治療にあたりますのでご了承下さい。
治療中、次のようなことを感じることがあります。
Ⅰ)熱感、痛み
温めている場所が熱くなり、チクチク、ピリピリといった痛みを感じることがあれば、声をおかけください。
Ⅱ)暑さと汗
治療中はサウナのような暑さのため多量の汗をかく場合があります。冷・暖房の調節などいたしますので遠慮なくおっしゃって下さい。適宜、持参された飲み物は飲んでいただいてもかまいません。

治療日の流れ

治療前

  • 治療日にはまず受付けへ診察券を提示されて下さい。診察、血圧、体温チェックした後に温熱治療室へご案内致します。
  • 治療前に、シミュレーション画像や治療目的部位特定のために、CT検査を行なう場合がありますので、主治医とご相談ください。

治療開始

  • 治療室に入ったら加温する部分の着衣をとり、治療ベッドに横になります。そして電極とボーラスをあてていきます。温め始めると加温部位は動かすことはできません。肩や腰など治療台にあたって痛いところがありましたら伝えて下さい。
  • RF波が効果的にでるようにコンピューターで出力を調節していきます。5分くらいかかります。出力を合わせた後にRF波を流し始めます。
    ※治療中は室内にスタッフ(看護師)が待機していますので、何かありましたら遠慮なく声をかけて下さい。

治療終了
血圧測定後、着替えが済んだら、終了となります。

温熱療法を希望される方の初回診察について

初回診察の際には、現在かかりつけ医療機関の主治医の紹介状、及びCT等の放射線画像、採血結果等をご持参ください。
温熱療法の診察は予約制ですので、ご希望の際にはお電話又はメールにて必ずご連絡下さい。

温熱治療統計(平成24年7月~平成29年3月末)

お問い合わせ

医療法人社団 鶴友会

鶴田病院

〒862-0925 熊本県熊本市東区保田窪本町10-112

TELでのお問い合わせ

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