hernia

鼠径(そけい)ヘルニア外来

当院では2011年9月1日より鼠径ヘルニア外来を行っております。下記の症状・状態がありましたら、お気軽に担当外科医師(鶴田 豊、山口 祐二)にご相談ください。

月〜金、鼠径ヘルニア外来にて診察いたします。
外来案内
なお、金曜日の午後は紹介患者様のみの対応と致しますのでご了承ください。

鼠径ヘルニアとは?

ヘルニアという言葉は、良く聞く言葉かもしれません。腰の病気の椎間板ヘルニアが有名ですがヘルニアとは、体内の臓器などが正常な位置から他の部位に逸脱した状態を指します。

成人の鼠径ヘルニアは、足の付け根の筋膜の一部が弱くなり、腹膜がこれを押し上げ外に飛びだしてしまう病気です。この飛び出た部分の腹膜をヘルニア嚢といい、この中に脱出する臓器は小腸が最も多く、脱腸とも呼ばれます。

鼠径部は腹部と足の境目であり、血管・神経・筋肉などがここを通り抜けるため、周囲の筋膜が弱くなり、このようなことが起こると考えられています。鼠径ヘルニアは脱出部位によって外(間接)鼠径ヘルニア、内(直接)鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアに分類されます。

鼠径ヘルニア分類

鼠径ヘルニアは比較的頻度の高い疾患です。部位的な問題から恥ずかしいとのことで、受診を敬遠される方も多いようです。また我慢する方や、痛みがないために受診されない方も多くおられます。

長期間放置し嵌頓(腹腔内臓器がヘルニア門にはまり込み、抜けなくなること)を起こし救急搬送されるケースもしばしば見受けられます。後述の症状・状態がありましたら、お気軽にご相談ください。

男性が約8割を占めますが、女性にも認めます。60歳以上の方から発生頻度が高くなります。

鼠径ヘルニアの原因

原因は大きく5つに分類されます。

  • 先天性のもの(小児の鼠径ヘルニア)鼠径ヘルニアは、出生時〜小児期に発症するケースが多く見られます。その場合、母体にいる段階ですでに鼠径ヘルニアを抱えています
  • 加齢によるもの年齢ともに筋肉が衰え、内臓を支えきれない事が原因となり発症します。自然に起こる原因として最も多いと考えられます
  • 運動や仕事などの生活習慣によるもの40代以上の中高年は、鼠径ヘルニアの原因に職業が関係していることが指摘されており、腹圧のかかりやすい立ち仕事に従事する人に多く見られます
  • 他の病気が関連するもの咳をよくする人、喘息の人、便秘、排尿障害のある人、前立腺肥大症の人、肥満の人など
  • 妊娠が原因となるもの女性の場合最も大きな要因と考えられます。妊娠にて腹圧が高まるためです

鼠径ヘルニアの症状

  • 立った時やお腹に力を入れたとき、鼠径部に柔らかい腫れを感じます
  • 指で押さえると通常は引っ込みます
  • 脱出に伴う鼠径部の不快感や痛みを感じます
  • 腫れが急にかたくなり、指で押さえても引っ込まなくなる(嵌頓)ことがあります。腸閉塞や腸管虚血(血流障害)の原因となり、緊急手術の適応となります

嵌頓に対する手術の頻度は、鼠径部ヘルニア手術の5%前後といわれております。

鼠径ヘルニアの治療方法

鼠径ヘルニアは自然には治りません。お薬では治療不可能で、手術をしないと治りません。診断がつけば手術の適応となります。当院で採用している腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術法(TAPP法・TEP法)、ダイレクトクーゲル法はポリプロピレン製のメッシュで弱った部分を補強し、腸などが出てくるのを防ぐ手術法です。どちらの手術も体の組織に緊張がかからない為、術後の突っ張り感が少なく従来の手術法に比べ、術後の痛みが軽くてすみます。

当院では、ヘルニアの種類や患者さんの希望、さらに年齢や全身の状態などから、最も適切な手術法を選択するようにしていますので手術法の選択に関しては担当医師とご相談ください。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術法(TAPP法・TEP法)について

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術法

当院では鼠径ヘルニアに対して、腹膜外到達法による腹腔鏡下ヘルニア修復術(TEP法)と、腹腔内到達法による腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP法)を行っております。この手術法の利点はなんといっても術後の痛みや腫れの少ない体に優しい手術であるということです。また術後の傷も最大1cmですみ、美容上も大変すぐれています。

腹腔鏡下手術では、従来から行われているお腹を切開する開腹手術と異なり、まずお腹に3mmから10mmの小さな穴を3ヵ所程度あけます。そのうちの1つの穴から腹腔鏡を入れてお腹の中を映します。その像を高精細モニターで観察してヘルニアの場所を見つけ、別の穴から入れた手術器具を操作して患部の治療をします。

腹腔鏡下手術の利点

鼠径ヘルニア
実際のTEP法の術後の傷
  • 手術創が小さい(3mm~15mmの小さな穴が3ヵ所)
    (開腹手術では5cm程度)
  • 再発率が低い
  • 術後の痛みが少ない
  • 入院期間が短い(当院の術後在院日数1.4日)
  • 日常生活に早く戻れる (当院の術後仕事復帰日数4.8日)           当院のお勧めしている金曜日入院・当日手術では、多くの方が翌日の土曜日に退院し、次週の月曜日から職場復帰されています
  • 両側の鼠径ヘルニアでも、同様の傷で同時に治療できる
  • 腹壁の内側から手術を行うので、症状のないヘルニアの見落としが少ない

日常に復帰するにはどの位必要?

実際の診療の流れ

初診時の外来初診時の診察(視診・触診・各種検査)により、鼠径ヘルニアと診断された場合、病気の概要や手術法についてご説明し、ご本人の治療の希望を伺った上でほとんどの方はその日に手術の日取りまで決めます。
例えば心臓病や糖尿病などの他の疾患があり、現在も治療を継続中の方は、その疾患の主治医に手術に際しての注意事項を確認したり、特殊な薬(特に血液の凝固を防ぐ薬)を服用中の方に関しては一時的にお薬を中止可能かどうか確認する必要があります。
これらの問題がない場合、術前検査を受けていただきます。術前検査血液検査、尿検査、レントゲン、心電図、肺機能検査などを行います。こうした検査で、心臓などに持病が見つかることもあります。
また既往症としてそのような疾患のある方も、追加の検査(心エコー・頸部血管エコーなど)を行うことがあります。そのような場合は、しかるべき診療科の医師の診察を受けていただき、そちらの治療を優先して行うこともあります。
術前検査を受けられ、麻酔と手術に際して問題ないと判断できれば、詳しく手術の説明をさせていただきます。さらにクリニカルパス(あらかじめ決められた入院計画)にて入院中の流れを説明いたします。
以上で外来診察は終了です。

 

入院から手術手術前日(午後)もしくは当日(朝)に入院していただきます。
術当日の朝は絶食で、飲水は手術前2〜4時間前まで可能です。
術前の処置をします(点滴など)。手術時間は、30分~1時間30分程度です。手術が終了し、帰室後2時間後から飲水可能です。しっかりと目が覚めれば、夕方より歩行可能となります。翌日朝から食事を取っていただけます。翌日の診察上(手術創と鼠径部)問題なく、採血検査・レントゲン検査にて問題なければ退院可能です。
基本的には1泊2日、もしくは2泊3日の入院となっています(当院の平均在院日数2.1日)。

 

退院後の経過創表面はダーマボンドという手術創専用の滅菌された接着剤で覆いますので、消毒や処置を行う必要がありません。創は水に触れませんので、入浴は手術翌日から可能です。もしその間に皮膚の発赤、創からの排液、過度の疼痛などがあれば、主治医にご連絡いただき外来受診の是非を仰いでください。
普段の生活や事務仕事や散歩などの軽い運動は、個人差はありますが、手術翌日から痛まない程度、疲れない程度に行ってかまいません。約2週間後に外来を受診していただきます。その際に痛みなどの症状をお聞きし、手術創と鼠径部の診察をし、問題なければ治療終了となります。
その後はゴルフなどそれ程激しくない運動であれば、再開することが出来ます。ゴルフやジョギングなどの激しい運動や、筋力トレーニングは、だいたい術後3週間後くらいから身体の調子に合わせて始めてください。

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